アルバイトの時給でここまでやらせるのは

まだ若かった頃のバイトです、通信販売がやっとメジャーになりつつあった時のことです。電気製品販売会社で、通販を始めたばかりの会社の、通販専用電話受付に応募して採用されました。

時給はそこそこでしたが、テレビと新聞のみの通販でしたので、テレビのCMが流れた時、もしくは新聞に広告が掲載された日は電話が鳴りっぱなしの大忙しでしたが、それ以外の時はのんびりしていて言いと言う、ありがたい職場でした。実際本を読もうが編み物をしようが、おしゃべりをしていてもOKだったのです。でも正直若かった私はちょっと退屈してしまい、何となく社員の雑用も手伝ってしまったのです。これが失敗でした、結果的にですがやらなければ良かったのです。

社員のスペースと電話受付のスペースは、同じフロアで仕切りもなく。全部見通し状態でした、会社自体が役員室は別にして1フロア、仕切りもなく営業していたのです。 なので社員スペースでの仕事が忙しそうな時は、何となく解ってしまって、ちょっとお手伝いをしてしまったわけですね。同僚のパートの奥さんたちには「何も自給以上手伝わなくてもいいのに」と笑われました、皆さん人が良かったので嫌味とか言う人はいなかったのですが、問題はそちらでは無かったのです。

最初何となく雑用を、電話受付の合い間に手伝っていましたが、そこそこ使えると思ったのか電話受付は忙しい時だけで、事務を主体に仕事してくれるように頼まれました。発送事務の手伝いをしたわけですが、まだまだ支払いなどは今と比べて初期段階。今の方々には笑われるのを承知で書いておきますと。 クレジットカード支払いなどは受け付けておらず、振込みか現金書留の送付での支払い。特に自宅(持ち家)でない人の場合、入金を確認してからの品物の送付だったのです。初期通販と言うのは、どこもそのようなものでした。 また、首都圏はともかく地方になると、発送が今とは比べ物にならないほど時間が掛かり、つまり物流が今ほど整っていなかったのです。

それやこれやで、山のように発送関係の仕事はありました。 私が担当したのは、地方への発送部門でした。正直若い私の目から見ても、システムがあまりに非効率的で、もっと上手く手数を減らせば発送も早くなるはずだ。そう思って課長に打診しましたら、「任せるからやってっみてくれ」との返事。バイトに?任せる?

でもまあ、任せられると言うのはそれなりに気分のいいものです、特に若かったので何となく嬉しくて。地方発送のシステムを、少しずつ作り上げていきました。結果、随分と手数が減ってやりやすくなったと思います。 ただこの辺りで問題が自分の中に出て来ました、「バイトの自給で物流のシステム作って、それを自分一人でこなしてるって、幾らなんでもひどくないか?」、バイトで採用されてからこの時まで大体2年くらいが経っていました。それでもちょっと気の回る課長が、「契約社員にならないか?」持ちかけてきましたが、条件を聞いてみたところ正直、バイト以上に拘束がかかる上に、待遇自体は殆ど変わらないことが判明。そちらは辞退しました、打算だけでは無さそうな課長の好意だけはお礼しましたが。

いい加減その辺りで辞めようかと思っていたのですが、それに加えてこの頃から今で言う「セクハラ」問題が起きはじめていました。これは役員の一人が若い女子社員に、当人はふざけ半分らしかったのですが、エレベーターの中で女子社員の身体に触ったり、すれ違いざまに手を握ったりをしていたのです。

バイトの奥さんたちに手を出したりはしなかったので、バイトの人たちは何も知りませんでした。私は社員スペースにいたので、何となく聞いたことがある、と言う感じだったのですが。若い女子社員が、泣きそうになっていたので、気になっていたのです。 なのである年末、忙しい最中に、書類整理するのでかかみこんでいた私にその役員が触ってきた時、「この忙しいのに馬鹿やってるんじゃないよ、仕事しろ」怒鳴りつけました。勿論会社中に聞こえましたね、後で女子社員たちから感謝されたのですが。そしてそこまで恥知らずではなかったらしい役員は、それについては何も言ってこなかったし、社内での扱いも変わらなかったのですが。

正直、もうこの会社駄目だ。そう思ったのも事実です。 バイトに、物流システム作らせて、全部お任せ。役員は、仕事もせずにセクハラ。 さすがに嫌になったので、3年目に退職しました。その旨告げた時に「じゃあ物流のシステム、引継ぎお願い。マニュアルも作っておいて」言われた時には、あまりの図々しさに呆れ返りました。一応意地で作って辞めましたが、あの会社現在は倒産して無くなったようです。