学生時代のイベント会場でのアルバイト

 大学生の頃(およそ8~9年前)、周囲の友人・知人たちの多くはコンビニや飲食店などでアルバイトをしていました。しかし、私は「どうせやるなら大きな場所でアルバイトをしたい!アルバイトをできるのは学生の時だけだから」と思っていました。そんな時、派遣アルバイトをあつかう会社を求人チラシで見つけました。その会社で扱うアルバイトのほとんどは、大きなイベント会場(サッカー・野球・コンサートなど)。「これはやらないといけない!」と思い、早速電話をかけて、支社で事前説明会を受けて登録・仕事に至りました。生まれて初めてのアルバイトだったので、初勤務の前夜は不安でした。

 はじめて入った勤務先は、都内にある有名な野球場でのチラシ配りでした。初日なのでちょっと緊張気味でしたが、会場の熱気や先輩スタッフのきびきびとした動きを見て、いつの間にか仕事に夢中になっていました。そのアルバイトの楽しさを知り、空き時間を見つけては積極的に仕事を入れるようにしていました。その他の仕事内容は、会場の案内・チケットもぎり・会場内のゴミ回収・荷物チェックなど…とても多岐にわたっていたのを覚えています。話し下手な私でも、アルバイトに入るのは非常に楽しみでした。

 そして、アルバイトを通して多くの人たちと出会いました。年齢が近い人からベテランの方々まで、普段の生活ではないような出会いがありました。このアルバイトを選んだ理由は、やはり人それぞれ。子育てをしながら働いていたり、就職活動につなげるために経験を積んでいたりする人たちを見て、「とても自分には真似できないな」と思っていました。中には、そのアルバイト会社に正社員として就職された人たちもいました。どちらかいうと私は、お金を稼ぐというより人生経験のためにアルバイトをしていたため、多種多様な人たちからお話を聞けて本当によかったと思っています。

 最も印象に残っているのは、年末年始にアルバイトに入ったことです。年越しでアルバイトをするのは、私の周りではあまり珍しいことではありませんでした。「給料がいつもより弾む」というのが大きな理由みたいでした。お金のない学生にはありがたい話ですが、私はそれ以外にも理由がありました。それは「年の始めに働くとその年は良いことがありそう」という勝手な思い込みでした。大晦日にはアイドルグループの年越しライブ、元旦にはサッカーの試合の仕事に入りました。その間は、時間と距離の関係でアパートには帰らずインターネットカフェで夜を明かしていました。今になって思うと、「よくあんな無茶なことできたな」という気持ちです。

 大学卒業後に初めて就職した先は、肉体労働な上に夜勤も月4~5回はあるという過酷な現場だったので、このアルバイトで体力をつけておいてよかったと思います。そして、当時アルバイトをしていた理由だった「人生経験を積む」という目標も達成できました。そして何より、仕送りをして大学に行かせてくれた両親の負担を少しでも軽減できたことも大きかったですね。自分でお金を稼ぐということの大変さを、この初めてのアルバイトを以て学ぶことができました。仕事を通じて出会った人たちにも、感謝の気持ちでいっぱいです。

 あれから数年経ちますが、テレビでスポーツの試合やライブを見ていると、今でも当時のアルバイト経験を思い出さずにはいられません。両親も「あなたの昔のアルバイトの話は面白い」と言ってくれます。今やっている仕事はフィールドが全く違うものですが、あの時培ったバイタリティーは生かされていると思います。私の人生において貴重な体験をさせてもらったと思うばかりです。